堀川建築設計室

CHIEKO HORIKAWA

イサムノグチ庭園美術館

10月15日(土)雨


 

 イサムノグチ庭園美術館のメンバーシップの会に行ってきました
一般公開の時間後の17:30〜19:00まで庭園内を自由に散策し、
イサム家(非公開)でお茶をいただけるという趣向です

生憎の雨でしたが、
石が雨に濡れて、より強い色と印象を残しています
この季節、日没は早いですし、雨天だったこともあって、
外は薄暗い状態です

すばらしい作品群が暗くて見えないなぁなどと、
最初は心中不満に思っていたのですが、
この景色はイサムノグチさんが見ていた風景なので、
催し物のために照明されることはないのだろうと思い直しました

アトリエのサークルからイサム家の窓からもれる
日本家屋独特の明かりを見たとき、
やはり余計な照明はこの場所ではいらないのだなと
感じました






アトリエの蔵で
庭園の蔵たちの改修工事をされた
左官の石田さんを紹介していただきました

和泉さんのご自宅横にある蔵の工事半ばの時期に
イサムノグチさんは亡くなったそうです
土壁は中塗りでコマイに結えたわら縄(Vの字になっている)が
土壁から荒々しく見え隠れしている当時の状態のまま、
残っています

その土壁の状態をイサムノグチさんが見ているそうで、
その壁を当時のまま残したいという
和泉さんのご意向で、
仕上げることなくそのまま残しているそうです

台風でやられてしまうので、
一部は仕上げてゆくそうですが・・・

この場所は、
イサムノグチさんが見た風景を残していくという、
コンセプトを守りながら継続してゆくのだと
得心しました








石田さんは
直島の家プロジェクトの金座の改修も担当されたとのこと
芸術家さんとの仕事は、
かなりな葛藤があったことを伺いました

イサムヤ家でのすばらしい時間に加えて、
土壁のいろいろな話を聞かせていただき、
いい時間をすごっせてもらいました





イサム家は庭側の建具と
入り口側の建具が明けはなされて、
ゆっくりと風が家の中を通り過ぎていきます
そのたびに天井からつるされた”あかり”が
ゆっくりとゆれています
部屋の中もゆっくりとゆれているようです

瓦屋根をたたいた雨が、
軒瓦よりぽつぽつぴちゃぴちゃ落ちています



サム家では静かにお抹茶とお菓子をいただきました


古い商家のイサム家の中で、
雨の日の夜を
ゆれる明かりのなかで
静かにすごされたこともあったのでしょうか・・・




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