堀川建築設計室

CHIEKO HORIKAWA

倉敷 屏風祭り・有隣荘
2007年10月20日

今年、4回目の倉敷訪問です
たまたまですが、 屏風祭りを
見ることが出来ました




古い町並み
お祭りのちょうちんが下がっている

美観地区すぐ近くの
古い商家の町並みにて、
屏風祭りは行われていました
各家々が持っている屏風を
一般に公開するというものです

地元の友人の話では、
普段は人通りも少なく格子戸を締め切っているそうですが、
今日はかなりにぎやかです

普通の民家然とした佇まいですが、
ひき違いの格子戸を開けると、
かなり広い玄関があります
旅館の入り口といった感じの広さがあり、
入った正面に屏風を飾っています
どこの家も富裕な商家だったのだろうと創造します

井上家は築300年の大きな商家もあり、
重要文化財になっています
倉敷の家は天井が無いのが特徴なのだそうです
屋根の棟木や梁は、
自然な丸太の形状を組合わせています
棟木の立派なのには驚かされました
樹齢はきっと何百年だろうと思われます


倉敷の美観地区の周辺には、
設計事務所が結構多いそうです

古民家再生プロジェクトを立ち上げているところもあるし、
若い建築家さんもいるということで、
こういう地区に惹かれるというのは
良くわかります

友人はご夫妻で
構造設計事務所を立ち上げています
アイビースクエアのぐ前です
事務所からはアイビースクエアのレンガ壁や
緑の様子がうかがえます
こういう街で設計するというのは、
設計する気分も高揚してくるだろうと
創造します
いいですねぇ・・・!


雑誌にも良く使われる
アングル(友人談)


大原美術館
屏風祭りにあわせて
大原家の旧自宅である有隣荘が公開され、
芹沢_介 さんの作品展示が
行われていました

有隣荘のことは全く知りませんでしたが、
パンフレットを見て、
設計 薬師寺主計
設計指導 伊藤忠太
内装デザイン 小島虎次郎
作庭 七代目小川治兵衛
と知りました

昭和3年竣工
和建築ですが、
玄関脇に大きな洋間があり、
和洋折衷
泉州瓦の特注形状・色が特徴的です

1階和室の前の庭は、
巨大な石をメインに、
笹を敷き詰めたモダンなつくりが目を引きました



石が印象に残る・・・
跡でパンフレットを見ると、
香川の庵治石
京都の鞍馬石
岡山の万成石
で敷き詰めた大きな石たちは構成されており、
特に中心の庭にある山のような大石は、
高松城の庵治石とのこと・・・
高松城の石が昭和3年には
倉敷の大原家の自宅庭にあったとは・・・
大原家の隆盛が伺えます
逆に言うと、
高松藩(旧水戸松平家系)の凋落が
伺えるということでしょうか・・・

全体的に、
材料を厳選されていて、
(床柱のデザインは簡素だがいい材料を使っている
資料によると台湾檜らしい )
内装ディテールはすっきりと納めており、
小島虎次郎氏デザインの家具や欄間が
彩を添えている、
モダン和であるという印象です

友人の指摘で良く見てみると、
外塀の石と木の境目のところは、
石の形状(凸凹)に合わせて木板を
削っています・・・すごい手間・・・
塀の扉が枠無しで造られている
どうやって造っているのだろう・・・


久しぶりに
大原美術館の展示も見たかったのですが、
盛りだくさんにの一日だったので、
見ることが出来ませんでした
これは、次回の楽しみにとっておきたいと思います

それにしても、
今年はなぜか何度も倉敷を訪れており、
しかも、友人が居るということも解り、
不思議な縁を感じます

地元の人の話を聞きながら
街を廻ると、
味わい深さが増します
また、
来ることを楽しみにしています
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