堀川建築設計室

CHIEKO HORIKAWA

2009年ひとりごといろいろ

思ったことを
気軽に書いてみようと思います

2009.11.3空海祭り

 朝8時ごろ、近所から獅子舞の音が聞こえてきます。今日は善通寺の空海祭り、空海の父善通の命日ということで、文化の日とはまた別の意味で11月3日はにぎやかです。善通寺から催しの音が良く聞こえてきます。獅子舞は、地元のお祭りで各家を廻って地元を盛り上げますが、善通寺ではこの空海祭りの日に市内の獅子舞がすべて集まってにぎやかに共演します。
 ここ何年も空海祭りは賑やかな音だけ聞いて 行っていなかったのですが、今年はあまりにもいい天気だったこともあり行ってみることにしました。
 多分20以上ある獅子舞のグループが一斉に舞っているので、鐘や太鼓の音はどれがどれだか解りません。が、その大音量は身体の真に迫るものがあります。実はこういう祭りは苦手なのですが、その懐かしい響きに少なからずの感動を覚えました。苦手と思いながらも、日本人のDNAに埋め込まれた音なのかなと思い知らされました。良く見ていると、それぞれ胴体の色は賑やかな切れで作られています。

夫婦獅子だったり、黒いシックなであったり、毛獅子だったり、音もテンポのゆっくりのグループがあったりと個性があります。同じようなリズムのようで同じでないので一緒に踊れないんだな・・・と解りました。それぞれのグループがそれぞれの鐘や太鼓の音に合わせてそれぞれ踊る、しかも一斉に・・・日本人の本能を刺激するイベントです。家にいても聞こえてくる音ですが、やはり行って体験してみていい刺激をいただいた気がしています。
 もうひとつ。菊の展覧会が御影堂の前にあったので覗いてみました。何が審査基準なのかがやっとわかりました。菊をタテ4列ヨコ10列くらい並べているのは、各列により高さの基準があり、それを守りながらいかにきれいに整列そろっているかを見るようです。そして少し離れた所からきれいにまとまってるなと思ったものは、農林水産大臣賞を取っている方の展示でした。得心しました。
 その後御影堂とお薬師さんにお参りして気持ち良い午前を過ごしました。善通寺では一日楽しいイベントでにぎわっていたようです。
2009.07.19カフェ
 以前、瀬戸内海を見下ろす荘内半島半島をドライヴしていたときに見つけたカフェに行ってきました。看板はCAFEとあるだけですし、こんな場所にあるとは・・・ということで、不思議に思っていました。車を道端に泊めて(駐車場らしきものは無い)、CAFE看板のある細い坂道のアプローチを登ってゆきます。アプローチは自然林を利用しながらも、人間の手を入れながら整備したオーガニックな夏の小道の雰囲気がしています。写真はアプローチ途中にある鳥小屋。たくさん野生の鳥がやってくるのでしょうか。集団で森の中にあるのは愛知万博で見た現代アートのような趣を感じます。
 アイアン格子の入口を入ると右手に小さなギャラリーがあります。藤田嗣治の作品(レプリカかなぁ・・・)が並んでいます。ポップな子供たちが職人に扮した挿絵のシリーズのような作品です。こんな絵も描いていたんですね・・・
 ギャラリーの前庭にはアイアンの外部用テーブル椅子が5セット 、そしてその奥に小さなガラス張りのカフェがあります。テーブルと椅子が3セット。雨が降っていたので内部に座りましたが、気候のいい時は外に座る方が気持ちいいでしょう。テーブル席の周りは夏ですし木々に覆われていますが、その合間から瀬戸内海を見下ろす景色が見え隠れしています。他の季節だともっと海が見えるのでしょうね。
小さなカフェですが、違う季節にも行ってみたいと思いました。
2009.06.07一級建築士定期講習・テスト

一級建築士の定期講習(テスト)に行ってきました。香川県では初めてにお講習です。講習の最後にテストがあるということで、多少の心配はありましたが、確かに講習を聞いていればわかる内容でした。中には解らない(あるいは聞き逃した)内容もありますが、テキストで調べることができるので、問題ない内容だと思いました。車の学科試験のような感じとてもいいましょうか。それにしても、たった一人の設計者の起こした姉歯事件をきっかけに、とうとうこういう講習(テスト)が出来上がったのか・・・といった感慨があります。あの事件以来建築法規が大改編され、建築性善説から性悪説は移行されてしまって、多くの心ある設計者が少なからずの影響を受けている感をいなめません。と思いながらもあっというまの一日でした。
  会場は、重要文化財偕行社です。事務所対応の施設では無いので、机上の照度は暗くてむらがありますが、雰囲気はとても良いものでした。この空気感をどう表現したらいいのでしょうか・・・レトロ・・・とても心地よいのです。そおそこのボリュームのある空間なのですが、最近のホールや会議室にはない空気感があるのです。愛ある空間といいますか・・・。そのせいもあってか、天気が良かったせいもあってか、慣れない講習もあっという間で疲れを感じませんでした。こういう空気感をもった空間づくりをしたい・・・そう思います。

2009.05.30藤森照信・鈴木博之パネルディスカッション

建築士会青年部主催のパネルディスカッションがありました。香川県の建築についてが主題です。この3月で鈴木先生が東大を退官されましたが、昨年一年の間に内外の方対談されていましが。その中に藤森先生との対談も組まれていて、このお二人がどんな会話をするのか聴講してみたいと思っていました。香川県の地でお二人揃ってお話を聴講する機会があるということで、海上の県立体育館(丹下健三設計)に行きました。丹下先生・大江先生・谷口先生等香川の建築を設計された先生のことや、磯崎先生の話も交えながら、メディアではあらわれてこないこぼれ話や、解釈をリアルに聞くことができ面白いひと時でした。東大を退官されて青山学院の教授になられた鈴木先生がとてもリラックスしていらしたのが印象的です。藤森先生とご一緒だからでしょうか?面白いひと時でした。

2009.04.18加山又造展

加山又造展に行ってきました。日経新聞で紹介されており、興味を持ったのですが新国立美術館から高松に巡回してくるということで、以前より楽しみにしていた展示です。日本画とは・・・画材が違うということしかわからないのですが(材料の使い方や技法等々伝統的な手法があるのでしょうが・・・)技術の精緻さと創意工夫、遠景も近景も隙のない心地よさです。本物のすごさを感じます。筆の赴くままというだけでなく、草稿に何年もかけ、技法の習熟にさらにそれを自分の手法にを加えて自分の作品にしてゆくという、とても知的な作業との集大成としての作品群のすごさを感じます。こんなこともできるのか・・・こうしてもいいのか・・・こういう構図もあるのか・・・拙いですが、いろいろ発見をしました。今回はギャラリートークの時間に合わせていきましたが、ちょっとしたエピソードを添えて、興味深く鑑賞できました。5月10日以降に作品の入れ替えがあるということですので、もう一度行ってみようと思います。

2009.03.14映画おくりびと

なんともいい映画でした。何度か涙が止まらない場面があります。それば、主人公・画面・音楽・納棺の儀式の美しさがあいまって、じわじわと湧き上がるような涙です。かといって、暗くはなく明るく描かれていて、ほっとする内容です。私も身内の納棺に何度か立会ましたが、あのような美しい儀式として行うのは初めて見ました。こいう仕事をしてくれる人に自分の納棺を任せたいと普通に思います。主人公がチェロ奏者だったという設定なので、その美しいチェロのメロディーが気持ちを高ぶらせます。久石穣さんの作曲のこの曲の旋律が頭の中に残ります。アカデミー賞外国語映画賞受賞の報道で、主演の本本木雅弘等出演者や監督を見てから、映画を見に行き期待して行きましたが、それ以上の気持ちを持って帰途に着きました。

200903.08中村昌夫講演会
ひょうんなことから中村昌夫さんの講演を聞く機会を得ました。高松市の市民講座の一貫で香川県表千家が招待した講演です。略式とはいえ、お茶をいただいてからの講演は慣れないことなので、緊張してしまいます。和服姿の方も多く、普通の建築の講演会とはかなり雰囲気が違います。衣ずれの音が新鮮に感じます。
 中村昌夫さんについて詳しいわけではありませんが、数寄屋や茶室のことを調べようと本を探すと、必ず中村先生の本を見ることになります。豪華本だけでなく、和と特集した雑誌でも中村先生のコメントを目にする機会がたびたびあります。意識しなくてもお名前の印象が心のどこかにありました。そして、ひょんなことから聴講の機会を得て、中村先生の肉声に接することができました。

 講演は室町時代の銀閣寺書院から発生し始めた茶室形式から千家、右樂、織部、遠州から現代へと続く、お茶室の考え方と変遷を時系列で話していただきました。スライドを使いながら淡々と、予定時間をはるかに超えて話していただきました。言の葉を聞き洩らさないように、そしてこの時間がずっと続いてくれればいいのにと思いながら、聞いていました。80歳を超えるご高齢の方が2時間以上立ったまま話されています。最後に”当地に次回来ることは無いでしょうからこの講演を私の遺言と思ってください”という言葉を残されたのが印象的です。最後のつもりで各地で講演をされている、まさにお茶の精神を貫かれているということなのでしょうか・・・超越した世界感で、動かれている・・・この講演を聞くことができて幸運だったと思います。
2009.03.07五十嵐淳講演会

五十嵐淳さんの講演会に行ってきました。興味深い内容でした。北海道を拠点に活動されている建築家さんです。自分よりかなり若い方(年齢は知りませんが)がどんな話をするのかという興味もありましたが、はたして興味深く聞くことができるかどうか半信半疑の気持ちで参加してきました。道東の厳しい環境の中で、そこから導き出す普遍性を自分の趣向の建築へと繁栄していく、整然とした語りとともに、興味深く聞くことができました。わかりやすい話で、とてもうまく自分の考えを話されているという感じがしました。こういう柔らか頭の人の話は、刺激になります。

2009.02.14倉敷

倉敷の友人が本・雑貨等のショップをオープンさせたということで、行ってきました。駅からほど近い良い場所にあります。近くに倉敷教会があります。大正11年に建てられて、有形登録文化財に指定されています。
2009.01.30ポール時計
 銀座にポール時計が設置された新聞記事です。街ゆく人へ時を語りかけるポール時計。
 私は携帯電話を持つようになって、腕時計をしなくなりました。女性の場合、携帯はバッグに入れています。時間が知りたいときにいちいちバッグを開けるのもめんどうなので、自然と廻りを見渡すことになるのですが、意外と無く、ストレスを感じつことがよくあります。プチ時計難民といったところです。銀座をぶらつく視線の端々に、時を知らせる装置があることは、急いでいる人にもそうでない人にも安堵を与えてくれることでしょう。少なくとも私のストレスは解消しそうです。
 今度東京に行くときは、銀座を歩く楽しみができました。設計者は会社員時代にお世話になりました。うれしい情報です。
2009.01.31善通寺の楠

 学習発表会が終わった帰途、善通寺経由で帰ることにしました。境内はいつもの風景で何気なく歩いていたのですが、改めて大楠の立派さをしみじみ感じます。思わず写真撮影。大楠は2本あって、どちらも大人が6人くらい掛って囲むような大樹です。一本目は南大門の近くにあり、弘法大師お手植えの木と聞いています。子供のころから柵に囲まれて近づくことはできません。そしてひときわ大きいもう一本は西側の佐伯廟跡の横に祀られています。石柱に囲まれていますが、比較的出入り自由で昔も今も立ち入り禁止です。が、子供のころはよく入り込んで、木の根元の広がった上をぐるぐる廻って遊んでいたことを思い出します。太い幹から広がる木の根元は緑の傘の下にいる気分、危険な雰囲気はありません。むしろ安全な空気が漂っていたと言っていいでしょう。樹の根から落ちないように気をつけながらぐるぐる廻っていただけなのですが、とても楽しかった思い出があります。木の根の感触を足の裏に感じながら遊ぶことは豊かな経験だったんだと今になって思います。
 といいながらも、危険と書かれた場所に行って遊ぶことを奨励はできませんが・・・
2009.01.31学習発表会
 
  近所の小学校の学習発表会を覗いてきました。私の子供のころには学芸会だったのですが、最近は授業中に習ったことを発表する場になっているようです。私が見たのは2・4・6年生。それぞれ”覚えた百人一首の発表””歌””ユニセフ活動について”という内容です。百人一首を覚えるのは面白いですし、懐かしい歌ばかりだし、ユニセフ活動というもの子供のうちから学んでおくことは必要でしょう。何をやっても、子供たちにとっては勉強になり思い出となるでしょう。個人の意見を言うならば、もっと楽しい催しでもいいような気もしますが・・・。
 私の子供のころは、観客のご父兄もたくさんいて、体育館があふれんばかりでしたが、今はかなり余裕があります。考えてみれば出演者の生徒が1/3ぐらいになっているので、父兄も少ないはずです。手間のかかる学芸会はできない現状があるのかもしれません。高齢化が進む地域でも、子供たちが元気に育っているということが解るいい機会でした。
2009.01.29お風呂

 小さな町に住んでいますが、中心市街地の中に唯一残っていた銭湯が廃業の危機です。店主がご高齢となり、継続が難しくなっています。私の知る限りでは、歩いて数分のところに3件があったのが、ここ数年でとうとう一軒になっていました。今のところ半年先(7月あたり)まで、営業を続けてくれることになったようですが、その先はどうなるか・・・。古くからの賃貸住宅ではお風呂の無いものもありますし、ご高齢ではお風呂を沸かすことが難しい世帯もあります。銭湯に行くことが健康の一助になることもありますが、郊外の銭湯にバスに乗って毎日通うのは現実的ではありません。

福祉課に問い合わせたところ、市でもいろいろ検討はしているようですが、対応策がまだわからない状態とのこと。銭湯施設を借りて市で運営するとしても、施設を耐震改修して使わなければいけない。その改修費用のねん出先が見つからない状態である。民間人で、継続運営してくれる人がいればいいのだか・・・ということでした。生活に密着したことなので、この半年の内にいい解決策が見つかることを願います。

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