堀川建築設計室

CHIEKO HORIKAWA

2010年6月

奈良に行ってきました

2010.06.19奈良

 所用で大阪へ行き、久しぶりに奈良に立ち寄ることにしました。遷都1300年祭最中です。1年半ぶりに近鉄電車に乗り、平城旧跡に目を凝らすと向かって右手に朱雀門、左に真新しい大極殿が見えます。遷都1300年祭のメイン会場の真ん中を近鉄電車が走り抜けている(つまり平城京を分断する形)というのが良くわかります。一年半前は朱雀門だけで、この状況は解らずに電車に揺られていましたが、解ってみると大胆なことを・・・と眉をひそめるのですが、25年以上前には何も無い草原の真ん中を電車が通っていただけという印象で当時の私は何の感慨も持ち合わせていませんでした。自分の感覚の鈍さを思い知らされます。さて、近鉄電車からは、梅雨の晴れ間の蒸し暑い中会場を歩く人の様子がうかがえます。朱雀門と大極殿が出来たとはいえ、その間は整備された緑地公園の様子です。今回はメイン会場は電車からのぞくだけにしました。


薬師寺 東塔西塔

 まずは興福寺へ。近鉄奈良駅から東向き商店街に入って、商店街の途中から小ぶりな坂道を上って興福寺へ。六角堂の際に出て、歩くと五重塔がそびえたちます。見慣れた五重塔と思っていましたが、その荘厳な雰囲気に圧倒されます。がその軒の深さや各層の軒の出の変化、木組みの複雑精緻さ経年の醸し出す姿・・・普段善通寺の五重塔を見慣ていてその違いを思い知らされた気がします(ちなみに善通寺も創建1200年以上ですが2度消失して明治以降地元の大工により再建されています)。ああ、こんな名刹を近くに見ながら学生時代を過ごしていたんだという感慨深さに浸ります。廻りは修学旅行生が次々やってきてにぎわいを見せています。爽やかな白いシャツの集団を率いるバスガイドさんも若い、活気があります。その集団を避けるように国宝館へ。国宝館は新しくコンクリート製で出来上がっています。開館間際ですんなりと中にはいれました(数年前までは全く人気もなかったのに・・・)。昨年の阿修羅人気もあって、次々人は増え修学旅行生も入ってきてにぎわっています。売店では阿修羅グッズでにぎわっていますし、ジャニーズ事務所のアイドルのように感じました

 遣唐使展も充実した内容です。一番印象に残るのは入ってすぐに展示している薬師寺の聖観音菩薩像です。同じ時代の唐の菩薩像が展示しており、唐から伝わって日本で洗練されたということが良くわかります。その精緻さとバランスの素晴らしさにぐるりと廻りを廻ったり、じっと見入ったり・・・ここにもすごいものがあるという感慨に浸りました。
 この後薬師寺に行きましたが、もちろん薬師寺にはそのレプリカが展示していました。やはり遣唐使展で見たものとは似ているようで違いがあきらかです。レプリカを作るのも大変なんだ・・・これも小さな発見です。
そして薬師寺東塔西塔が並ぶ姿を望むことができました。東塔は創建以来のたたずまいを今に伝えていますが、10年掛けて修理修復する前に一般公開されていました。確かに傷みはありますが、千数百年建ち続けているとは思えない瀟洒なたたずまいです。


唐招提寺金堂


唐招提寺鑑真和上御廟 内
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